遺言書は自身の死後の財産分配や意思を法的に確実に伝えるための重要な書類です。現行制度では自筆証書遺言と公正証書遺言が主流ですが、2026年の法改正に向けて、パソコンやスマートフォンで作成し法務局が保管する「保管証書遺言」制度の創設が検討されています。

現行の自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴

自筆証書遺言は、自分で全文を手書きし、日付と署名を入れることで成立します。費用はほとんどかからず手軽ですが、形式不備や紛失、改ざんのリスクがあります。相続開始後には家庭裁判所での検認手続きが必要で、内容の確認に時間がかかる場合もあります。

公正証書遺言は、公証役場の公証人が作成し保管します。証人2名の立会いが必要ですが、紛失や改ざんの心配がなく、検認不要で確実性が高いのが特徴です。手数料がかかりますが安心感があります。

自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言
作成方法 全文を自筆で記載 公証人が作成・保管
費用目安 ほぼ無料(用紙代等のみ) 約5〜10万円の公証手数料
保管 自宅で保管(紛失リスクあり) 公証役場で保管
検認手続き 必要 不要
改ざんリスク あり ほぼなし

保管証書遺言(デジタル遺言)制度の検討状況

2026年の法改正を目指し、パソコンやスマートフォンで作成した遺言書を法務局が安全に保管する「保管証書遺言」制度の創設が検討されています。これにより、遺言書の紛失リスクや改ざんリスクを減らし、形式の不備を防ぐ狙いがあります。

法務局が保管することで、遺言者本人や相続人が内容を確認しやすくなり、紛失や形式不備による無効化を防げる可能性があります。ただし、制度はまだ検討段階であり、詳細は今後の法改正を待つ必要があります。

エンディングノートとの法的効力の違い

エンディングノートは自身の希望や思いを記録するためのノートであり、法的な効力はありません。遺言書と異なり、財産の分配や法的な手続きを指示する効力はないため、相続に関しては補助的な役割にとどまります。

一方、遺言書は法律に基づいて作成され、相続手続きで正式に認められるため、遺言の内容に従って財産が分配されます。エンディングノートは気持ちや希望を伝える手段として活用し、法的効果を持たせたい場合は遺言書の作成が必要です。

デジタル遺言で便利になることと変わらないこと

デジタル遺言(保管証書遺言)が普及すると、パソコンやスマートフォンで作成できるため、手書きの手間が省け、形式不備のリスクが減少します。法務局で安全に保管されるため、紛失や改ざんの心配も軽減されます。

ただし、遺言の内容自体の法的効力や相続手続きの流れは変わりません。また、遺言者本人の意思が明確であることや、相続人間の争いを防ぐための内容の検討は、従来通り重要です。

遺言作成方法別の費用目安

項目 自筆証書遺言 公正証書遺言 保管証書遺言(検討中)
作成費用 用紙代のみ(数百円) 約5〜10万円(公証人手数料) 未確定(手数料見込みあり)
保管費用 無料(自宅保管) 無料(公証役場) 未定(法務局保管)
検認手続き 必要 不要 不要の方向性
紛失・改ざんリスク 高い 低い 低い

遺言作成時の費用と注意点

遺言書作成にかかる費用は種類により大きく異なります。自筆証書遺言はほぼ費用がかからない反面、検認や紛失リスクがあります。公正証書遺言は費用がかかりますが、確実性が高く検認不要です。保管証書遺言は制度が確定していませんが、将来的に手数料が発生する可能性があります。

相続をめぐる親族間の争いや手続きの停滞を防ぐためにも、遺言の保管方法や内容の明確化は種類を問わず重要です。

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見積もり前の確認リスト

  • 遺言書の種類(自筆証書、公正証書、保管証書)を理解して選ぶ
  • 自筆証書遺言は全文手書きで日付・署名が必要なことを確認する
  • 公正証書遺言の公証人手数料や証人の手配を準備する
  • 保管証書遺言は制度の詳細と費用を確認し、法改正情報を注視する
  • エンディングノートは法的効力がないため遺言書とは別に扱う
  • 遺言書の保管場所や内容の紛失・改ざんリスクを検討する