この記事のポイント

  • 身元保証人に求められる役割は国のガイドラインで6つに整理されており、1人にまとめて頼む必要はない
  • 緊急連絡先や入院中の物の用意は親族でない知人でもよく、入院費は本人の支払いや後見人の支払代行で手当てする
  • 医療行為への同意は6つの役割に入っておらず、知人・成年後見人・身元保証会社のいずれにも頼めない
  • 成年後見人・社会福祉協議会・市区町村は、入院費の保証人にはならない
  • 断れない根拠があるのは病院と介護保険施設まで。有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は契約を個別に確認する
  • 相談の順番は場面で変わる。入院直前なら病院の相談員、次に地域包括支援センターや市区町村へ

ここでいう身元保証人は、就職のときに求められる雇用契約上の身元保証とは別のもので、病院や施設で慣習的に求められている「身元保証人」「身元引受人」を指します。総務省関東管区行政評価局が埼玉県・東京都・神奈川県の病院・施設を中心に行った調査では、回答した病院・施設の92.4%が入院・入所の希望者に身元保証人等を求めていました。

一方で同じ調査では、身元保証人を用意できない場合の対応として「場面ごとに個別に対応する」と答えた病院・施設が約6割(60.3%)で最も多くなっています。「保証人を1名」と言われても、そこで話を終わらせず、何をしてほしいのかを役割ごとに確かめるのが出発点です。

身元保証人に求められる役割は6つで、1人にまとめて頼む必要はない

厚生労働省の「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」は、病院が身元保証人に期待する役割を、①緊急の連絡先 ②入院計画書の説明 ③入院中に必要な物品の準備 ④入院費等 ⑤退院支援 ⑥(死亡時の)遺体・遺品の引き取り・葬儀等の6つに整理しています。ガイドラインの資料編には、役割ごとに引き受ける人や機関の名前・連絡先を書き込む「支援シート」も載っており、関係者で分担することが前提になっています。

手術などの医療行為への同意は、本人にしか決められないものとして、この6つから外されています。窓口で「身元保証人を」と言われたら、6つのうちどれが必要なのかを聞き、役割ごとに分けて相談してください。

身元保証人の役割ごとの頼み先(国のガイドラインの6役割+医療行為への同意)

役割 頼める先 頼めない・注意
①緊急の連絡先 友人・知人・民生委員など(親族でなくてよい)、成年後見人(引き受けるかは後見人ごとに確認)、生活保護受給中なら担当ケースワーカーに相談、身元保証サービス(契約による) 行政機関が引き受けても、夜間・休日は連絡がつかないことがある
②入院計画書の説明 本人への説明が原則。同席は知人(本人の了解があれば)、ケアマネジャー、成年後見人、地域包括支援センターや市区町村の職員など 同席者への情報提供は本人の意向を確認してから
③入院中の物品の準備 知人、病院の入院セット(レンタル)、有償ボランティアやリース、成年後見人が手配する有償サービス、生活保護受給中なら入院患者日用品費 成年後見人自身に買い物や届け物をする義務はない(手配までが業務)
④入院費等 本人の支払い、成年後見人の支払代行、社会福祉協議会の日常的な金銭管理、払えないおそれがあれば生活困窮者の相談窓口・生活保護の相談 成年後見人・社会福祉協議会・市区町村は保証人にならない
⑤退院・退所支援 地域包括支援センター(障害のある人は市区町村の障害担当など)、病院の相談員、ケアマネジャー、成年後見人(施設やサービスの契約) 成年後見人は付き添いや部屋の明け渡しそのものはしない(手配まで)。日常生活自立支援事業は施設入所手続きの代理をしない(神奈川県社会福祉協議会の案内)
⑥遺体・遺品の引き取り・葬儀等 死後事務委任契約の受任者、身元保証サービス(契約による)、成年後見人(後見類型のみ、家庭裁判所の許可を得て火葬・埋葬の契約など)。引き取る人がいなければ死亡地の市区町村長が埋葬・火葬 成年後見人に葬儀の権限はない。任意後見人には死後の事務の権限がない
(6つの外)医療行為への同意 本人。本人の意思が分からないときは、医療・ケアチームが本人にとっての最善を話し合う 知人・成年後見人・任意後見人・身元保証会社・市区町村のいずれにも同意の権限はない

緊急連絡先と入院中の物は、知人や入院セットで埋められる

①緊急の連絡先は、親族である必要はありません。国のガイドラインは、親族や友人・知人がいなければ、生活保護や日常生活自立支援事業、介護・障害福祉サービスなどを使っていないかを確認し、その担当者と緊急時の対応を相談するという流れを示しています。総務省の事例集には、葬儀会社と契約済みの患者がその葬儀会社を緊急連絡先にし、亡くなったときに引き取りに来てもらった病院の例もあります。

市区町村などの行政機関が緊急連絡先を引き受けることもありますが、病院・施設からは「土日や夜間は連絡がとれないことがある」という声が出ています。夜間・休日にも連絡がつく人を、もう1人決めておけると安心です。

②入院計画書は、本人に説明するのが原則です。同席を希望する人がいれば、病院は本人の意向を確かめたうえで情報を伝えます。病院の相談員がケアマネジャーや施設職員に同席を頼んだり、市区町村や地域包括支援センターの職員が説明やカンファレンスに同席したりする例があります。

③入院中の物品は、病衣・タオル・洗面用具などを病院で購入・レンタルできるようにすることが望ましいとされており、実際に入院セットのレンタルを置く病院もあります。有償ボランティアやリースの利用も選択肢です。生活保護を受けている人には入院患者日用品費が出ます。

入院費は保証人でなく、本人の支払いや制度で手当てする

④入院費等は、本人が自分の財産から払うのが基本です。判断能力が落ちている場合は、成年後見人が本人の財産から支払いを代行します。ただし国のガイドラインは「成年後見人等が保証人として、入院費を負担することはありません」と明記しています。社会福祉協議会の日常生活自立支援事業も、日常的な金銭管理で支払いを支えることはできますが、身元保証人として契約することはできません。

市区町村に「入院費の保証人になってほしい」と求める声もありますが、総務省の報告書は、これを自治体の役割を超えた要望として整理しています。

入院費を払えないおそれがあるときは、生活困窮者の相談窓口や福祉事務所(生活保護)に早めに相談してください。生活保護の開始は、急迫した場合を除いて原則として申請のあった日以降になるため、入院が決まってからでは間に合わない部分が出ることがあります。

退院後の行き先は、病院の相談員と地域包括で決める

⑤退院支援で頼れる人がいない場合、国のガイドラインは「新たに本人をサポートするチーム作り」が必要だとし、高齢者なら地域包括支援センター、障害のある人なら市区町村の障害福祉の窓口、経済的に困るおそれがあれば生活困窮者の相談窓口に相談するよう示しています。病院の医療ソーシャルワーカーは、地域包括支援センターやケアマネジャーとの調整役になります。

成年後見人がいれば、退院後の医療・介護・福祉サービスや施設の契約は成年後見人の業務です。一方、退院時の付き添いや部屋の明け渡しといった実際の作業は業務ではなく、それを行うサービスの手配までが業務とされています。病院によっては、本人の判断能力が落ちていれば成年後見人の選任を、お金の面で不安があれば生活保護の手続を、市区町村に依頼している例もあります。

亡くなった後の引き取りは死後事務委任契約で備える

⑥遺体・遺品の引き取り・葬儀等は、生前に死後事務委任契約を結んでおけば、受任者に遺体の引き取りや火葬、入院費の精算などを頼めます。成年後見人は、後見類型に限り、家庭裁判所の許可を得て火葬・埋葬に関する契約などの一部の死後事務ができますが、葬儀の権限はありません。この死後事務の規定は成年後見だけが対象で、保佐・補助・任意後見には適用されないと法務省が説明しています。任意後見で備えている人も、亡くなったあとのことは死後事務委任契約を別に結ぶ必要があります。

埋葬や火葬を行う人がいないとき、または分からないときは、墓地、埋葬等に関する法律第9条により、死亡地の市区町村長が行います。ただし、これは本人の希望どおりの見送りをしてくれる制度ではありません。葬儀やお墓に希望があるなら、書き残しておくか、死後事務委任契約で具体的に決めておきます。

医療行為への同意は、後見人にも保証会社にも頼めない

本人の意思が確認できない場合に、第三者が代わりに決める一般的なルールは法令にありません。家族等がいない場合は、医療・ケアチームが本人にとっての最善の方針を話し合って決めることが基本とされています。

元気なうちに、延命治療や手術についての希望をエンディングノートや事前指示書に書き残しておくと、チームが本人の意思を推し量る手がかりになります。

後見人や社協の事業は、保証人の役割の一部だけを担う

成年後見人は、本人の財産から入院費を支払い、退院後の施設やサービスの契約を結べます。しかし、国のガイドラインは「成年後見人等が保証人として、入院費を負担することはありません」と明記し、専門職などの第三者が後見人になっている場合に本人の債務の保証人になることは「一般的に適切でない」としています。医療行為への同意権もありません。後見人を付ければ身元保証人が要らなくなる、という仕組みではない点に注意してください。

任意後見人は、判断能力が落ちたときに家庭裁判所が任意後見監督人を選んでから、契約で決めた範囲で本人を代理する人です。入院の保証人になれるとした国の文書は確認できず、亡くなったあとの事務の権限もないため、備えるなら死後事務委任契約を組み合わせます。

制度ごとにできること・できないこと

制度 できること できないこと
成年後見人(法定後見) 入院費の支払代行、退院後の施設・サービスの契約、物品や付き添いのサービスの手配、緊急連絡先(引き受けるかは要確認)、後見類型のみ家庭裁判所の許可を得て火葬・埋葬の契約など 入院費の保証人として負担すること、医療行為への同意、葬儀
任意後見人 任意後見契約で決めた事務の代理(判断能力が落ちて家庭裁判所が監督人を選んでから) 亡くなったあとの事務(死後事務の規定が適用されない)。医療同意や保証人になれるとした国の文書は確認できない
日常生活自立支援事業(社会福祉協議会) 福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理(支払い)、書類等の預かり 身元保証人としての契約。神奈川県社会福祉協議会の案内では施設入所手続き等の代理も除かれている

成年後見人を選ぶ手続きには数か月かかることもあります。身近に申し立てる人がいない65歳以上の人については、市区町村長が家庭裁判所に申し立てる制度があり、申立て費用や後見人への報酬を助成する成年後見制度利用支援事業を設けている市区町村もあります。地域包括支援センターか市区町村の高齢者担当課で相談できます。

相談の順番は、入院直前なら病院の相談員が先

国のガイドラインは、民間のサービスを使う前に「まずは公的な制度や地域資源の活用を検討することが大切です」としています。どの場面でも、公的な窓口から当たり、民間の身元保証サービスは最後に比べる順番です。

入院直前に病院から「身元保証人を」と言われたとき

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    1. 病院の相談窓口で、必要な役割を確認する

    医療ソーシャルワーカーや入退院支援の担当者に、6つの役割のどれが必要か、役割ごとに分けて引き受けてもよいかを聞きます。緊急連絡先を知人に頼めるか、入院セットのレンタルがあるかもここで確認します。

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    2. 地域包括支援センターか市区町村の窓口に連絡する

    65歳以上なら地域包括支援センターか市区町村の高齢者担当課、18歳以上65歳未満で障害のある人は市区町村の障害担当や基幹相談支援センターへ。身寄りのない人の入院・入所の相談窓口を決めている自治体もあります。生活保護を受けている人は担当のケースワーカー(福祉事務所)、支払いが不安な人は生活困窮者の相談窓口や生活保護の相談窓口に連絡します。

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    3. 判断能力に不安があれば、社会福祉協議会や成年後見の相談窓口へ

    日常生活自立支援事業は社会福祉協議会、成年後見制度は地域包括支援センターや、社会福祉協議会などに置かれた権利擁護センター・成年後見センター(中核機関)で相談できます。

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    4. それでも断られ続けるときは、医療安全支援センターへ

    都県・保健所設置市・特別区の医療安全支援センターに相談できます。ただし助言と情報提供の窓口で、病院との仲裁や交渉はしてくれません。

施設入所を考えているとき

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    1. 担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する

    ケアマネジャーがいなければ、地域包括支援センターが最初の窓口です。施設探しと身元保証人の問題を一緒に相談できます。

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    2. 施設の生活相談員に、求める役割を確認する

    「身元保証人に何を求めるのか」を6つの役割に分けて聞きます。特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院などの介護保険施設では、身元保証人がいないことは入所を断る正当な理由にならないとされています。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は扱いが違うため、契約内容を個別に確認します。

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    3. 市区町村の高齢者担当課や社会福祉協議会の事業を調べる

    入所時の手続き支援や死後事務を引き受ける事業を始めた市区町村・社会福祉協議会もあります。対象や預託金の条件があるため、早めに確認します。

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    4. 介護保険施設に断られ続けるときは、介護保険の担当部署へ

    施設を指導監督する都県や市区町村の介護保険担当に相談できます。

元気なうちに備えたいとき

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    1. 市区町村の終活相談窓口や終活情報登録を調べる

    緊急連絡先やエンディングノートの保管場所などを登録できる自治体があります(横須賀市の「わたしの終活登録」、大和市の終活登録「ツナグ」など)。

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    2. 社会福祉協議会の終活支援・見守り・死後事務の事業を調べる

    自治体によっては入院・入所時の手続き支援まで扱います。相談から契約までに数か月かかる例が多いため、急ぎでないうちに動き始めます。

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    3. 任意後見契約と死後事務委任契約を検討する

    判断能力が落ちたあとの財産管理は任意後見契約(公正証書で作成)、亡くなったあとのことは死後事務委任契約で備えます。医療についての希望は書き残しておきます。

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    4. 最後に、民間の身元保証サービスを比べる

    公的な制度で埋まらない役割が残る場合に、民間の身元保証サービス(高齢者等終身サポート事業)を比べます。費用と預託金の確認方法は別記事で扱っています。

公的な窓口は無料か低額だが、保証人にはならない

公的な窓口で頼めること・頼めないこと・費用

窓口 頼めること 頼めないこと 費用
地域包括支援センター(65歳以上) 介護・福祉・医療の相談全般、退院後の支援チームづくり、成年後見制度の相談、説明やカンファレンスへの同席(例あり) 入院費の保証人 相談は無料(新宿区などの案内)
市区町村の高齢者担当課・身寄りのない人の窓口 相談先の振り分け、市区町村長による後見の申立ての検討、引き取る人がいない場合の埋葬・火葬 入院費の保証人 相談は無料(自治体の例)
福祉事務所(生活保護)・生活困窮者の相談窓口 生活保護の相談・申請、受給者の緊急時対応の相談、入院患者日用品費 保証人。生活保護の開始は原則として申請日以降 各窓口で確認
社会福祉協議会の日常生活自立支援事業 福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理(支払い)、書類等の預かり 身元保証人としての契約 相談・支援計画の作成は無料。支援は全国平均で訪問1回約1,200円、生活保護世帯は無料。東京都内の基本料金は1回1時間まで1,500円、埼玉県は1回1時間まで1,600円。神奈川県・千葉県は各市町村社協で確認
医療安全支援センター(都県・保健所設置市・特別区) 医療機関についての相談・苦情への助言、情報提供 医療機関との仲裁・調停、調査・交渉 埼玉県・千葉県は相談無料と明記(千葉県は通話料のみ自己負担)
社会福祉協議会・市区町村の終活支援事業 見守り、入院・入所時の付き添いや手続き支援、死後事務(事業による) 多くは債務保証や医療同意を扱わない(川崎市の例) 自治体ごとに大きく違う。預託金が必要な事業が多い

介護保険サービスについての苦情は、介護保険法に基づく苦情処理機関である国民健康保険団体連合会(国保連)でも受け付けています。ただし、身元保証人がいないことによる入所前の拒否を扱うかは窓口に確認してください。名称・料金は変わることがあるため、最新の内容は各自治体や社会福祉協議会のサイトで確かめてください。

社協が入院手続きまで支える事業は、条件と預託金に注意

厚生労働省の「身寄りのない高齢者等が抱える生活上の課題に対応するためのモデル事業」を、関東4都県では次の市区町が実施しています(令和7年度時点の資料。担い手はいずれも社会福祉協議会)。お住まいの自治体に似た事業があるかを探す目安にしてください。多くは「生活保護を受けていないこと」「契約内容を理解できること」「預託金を納められること」などが条件で、入院費の保証人になる事業ではありません。

関東4都県のモデル事業の例(令和7年度時点。最新は各自治体・社会福祉協議会で確認)

自治体 主な中身 主な利用条件 費用の目安
東京都文京区 預託金を使った入院・入所・転居時の身元保証人の代わりとなる機能、死後事務 原則70歳以上、生活保護を受けていない、頼れる親族がいない、契約能力がある 入会金15,000円、年会費10,000円、預託金500,000円〜
東京都品川区 見守り、任意後見契約、公正証書遺言の作成支援、役所や入院の手続き代行 65歳以上の単身または高齢者夫婦のみの世帯など 契約手続き料金・基本料金無料、個別サービス1回1時間500円
東京都狛江市 相談・コーディネート(要件なし)、見守り・施設入所支援・入退院支援など 65歳以上、頼れる親族がいない、判断能力がある、所得要件あり、生活保護でない等 見守り月額1,000円、施設入所支援・入退院支援等1回60分まで1,700円
神奈川県川崎市 死後の葬儀・埋葬・届出、見守り、有償で入退院の付き添い等 原則65歳以上、生活保護でない、預託金を納められる、公正証書遺言で遺言執行者を指定できる等 入会金20,000円、年会費9,600円、預託金600,000円〜
神奈川県大和市 終活コンシェルジュによる相談、終活登録「ツナグ」 相談は要件なし(登録は65歳以上の一人暮らし等) 利用者負担なし
神奈川県松田町 見守り、預託金の範囲内での死後事務 65歳以上の一人暮らし、支援できる親族がいない、生活保護でない、判断能力がある等 相談・契約対応は無料。初期事務手数料20,000円、年間利用料12,000円、預託金200,000円以上ほか
千葉県木更津市 成年後見支援センターに身寄りのない人の相談窓口。成年後見・死後事務・福祉サービス利用援助へつなぐ 木更津市民 利用者負担なし
千葉県船橋市 相談窓口、見守り・入退院時等の付き添い・死後事務 65歳以上の単身で頼れる身寄りがいない、生活保護でない等 年会費6,000円、入退院時等の付き添い1回1,200円〜、葬儀等の預託金23万円〜
千葉県我孫子市 見守り、入院・入所時の同行・同席、手続き代行、死後事務委任 65歳以上の独居・高齢者夫婦等、支援できる親族がいない、判断能力がある 市・社会福祉協議会に確認
埼玉県ふじみ野市 見守り、入退院・施設入所時の手続きと費用の支払い、死後事務委任 65歳以上の一人暮らし、預託金を準備できる、生活保護でない等 市・社会福祉協議会に確認(預託金あり)

2026年6月に公布された社会福祉法等の改正で、頼れる身寄りがいない高齢者等への日常生活支援・入院入所等の手続き支援・死後事務支援を行う新しい社会福祉事業が設けられます。ただし、この事業の施行は公布から2年以内に政令で定める日とされており、2026年10月時点ではまだ使える制度ではありません。身元保証そのものが公的に用意されるとも限らないため、今の入院・入所にはこれまでの窓口で対応します。

病院と介護保険施設は、保証人がいないだけでは断れない

病院については、厚生労働省が2018年4月27日の通知(医政医発0427第2号)で、入院による治療が必要なのに、身元保証人等がいないことのみを理由に医師が入院を拒否することは、医師法第19条第1項(いわゆる応招義務)に抵触するとしています。

介護保険施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院など)については、法令上は身元保証人等を求める規定がなく、各施設の運営基準で正当な理由のないサービス提供の拒否が禁じられており、身元保証人等がいないことはその正当な理由に当たらないとされています。こちらは医師法の応招義務ではなく、施設ごとの運営基準(提供拒否の禁止)が根拠です。

有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅については、同じ趣旨の国の文書は確認できません。有料老人ホームの国の標準指導指針は、身元引受人等がいることを前提にした記述を置いています。入居を考えるときは、身元引受人に何を求めるのか、いない場合にどう扱うのかを契約前に個別に確認してください。

断られ続けたら医療安全支援センターへ。仲裁はしない

病院に断られ続けるときは、都県・保健所設置市・特別区の医療安全支援センターに相談できます。介護保険施設なら、施設を指導監督する都県や市区町村の介護保険担当が相談先です。どちらも、まずは病院の相談員や地域包括支援センターに相談したうえでの二段目の窓口と考えてください。

関東4都県の医療安全支援センター

都県 窓口 対象外の地域(各市の窓口へ)
東京都 東京都医療安全支援センター(都の医療安全課、都保健所の「患者の声相談窓口」)、各特別区・八王子市・町田市の窓口 特別区・八王子市・町田市の医療機関は各区市の窓口
神奈川県 神奈川県医療安全相談センター 横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・藤沢市・茅ヶ崎市(寒川町を含む)
埼玉県 埼玉県医療安全相談窓口(電話相談が原則・無料) さいたま市・川越市・川口市・越谷市
千葉県 千葉県医療安全相談センター(相談無料、通話料は自己負担) 千葉市・船橋市・柏市

民間の保証サービスは、公的な制度の後で比べる

民間の身元保証サービス(高齢者等終身サポート事業)は、入院・入所時の連帯保証、手続きの代行、亡くなったときの引き取り、緊急連絡先の引き受けなどを契約で提供するものです。費用は事業者ごとに費目も金額も大きく違い、総務省の2023年の調査では、協力が得られた事業者の例で利用開始時に少なくとも100万円以上が必要でした。こうした事業を直接規律・監督する法令はなく、民間どうしの自由な契約です。

契約を考えるときは、6つの役割のうちどれを引き受けてもらえるのかを書面で確かめ、公的な窓口や知人で埋められる役割と重ならないようにします。医療行為への同意は、身元保証サービスでも引き受けられません。費用の内訳、預託金の預け方と返金条件、事業者を選ぶときの確認項目は、次の記事で詳しく扱っています。

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見積もり前の確認リスト

  • 病院・施設に、身元保証人に求める役割(6つのうちどれか)を確認したか
  • 緊急連絡先を、親族以外の知人や担当者を含めて決めたか(夜間・休日の連絡先も)
  • 入院費の払い方(本人の支払い・後見人の支払代行・社協の金銭管理・生活保護の相談)を決めたか
  • 成年後見人は入院費の支払代行と施設の契約はできるが、保証人と医療同意はできないことを確認したか
  • 医療行為への同意は誰にも頼めないため、治療の希望を書き残しているか
  • 地域包括支援センターまたは市区町村の高齢者担当課に相談したか
  • 施設が介護保険施設か、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅かを確認したか
  • 亡くなったあとの引き取りを、死後事務委任契約などで誰に頼むか決めたか
  • 民間の身元保証サービスを比べる前に、公的な制度で埋められる役割を確認したか