葬儀費用の相場は遺族にとって大きな関心事です。ここでは鎌倉新書が2026年に公表した「第7回お葬式に関する全国調査」の数値をもとに、総額の内訳と葬儀形式別の差、前回調査からの変化、首都圏で費用が上振れしやすい要因を順に整理します。金額はいずれも全国平均の目安で、依頼する葬儀社や利用する火葬場・式場によって変わります。

全国平均は96.73万円、最も高いのは一般葬

鎌倉新書が2026年に公表した「第7回お葬式に関する全国調査」によると、葬儀費用の総額平均は96.73万円でした。内訳は基本料金が72.02万円、飲食費が11.67万円、返礼品費が13.03万円で、基本料金が全体の7割強を占めます。

形式別の平均は一般葬が122.01万円、家族葬が96.39万円、一日葬が74.43万円、直葬・火葬式が49.56万円です。選ばれた割合は家族葬が47.0%で最も多く、一般葬30.2%、一日葬11.9%、直葬・火葬式10.8%と続きます。最も多く選ばれているのは家族葬ですが、費用が最も高いのは参列者数の多い一般葬です。

葬儀形式別の平均費用と構成比(第7回お葬式に関する全国調査・2026年)

葬儀形式 平均総額(万円) 構成比(%)
一般葬 122.01 30.2
家族葬 96.39 47.0
一日葬 74.43 11.9
直葬・火葬式 49.56 10.8

2年前の調査から総額は約2.5万円の微増

葬儀費用は「基本料金(搬送・安置・式場使用・火葬・人件費など)」「飲食費」「返礼品費」の3つに分けて見ます。この3項目の合計が調査上の葬儀費用で、寺院へのお布施は別に計上されるため、仏式で読経を依頼する場合は別途見込んでください。

前回の第6回調査(2024年)の総額平均は94.21万円で、今回は約2.5万円の微増でした。家族葬は前回より6.49万円上がっており、規模を小さくしても単価が下がるわけではないことを示しています。飲食費と返礼品費は参列人数に連動して増減しますが、基本料金は人数を絞っても大きくは減りません。

総額平均の内訳(第7回お葬式に関する全国調査・2026年)

費用項目 平均額(万円) 総額に占める割合(%)
基本料金 72.02 約74
返礼品費 13.03 約13
飲食費 11.67 約12
合計 96.73 100

首都圏は民営火葬場の火葬料が総額を押し上げる

首都圏の公営・組合立の火葬場は、住民であれば無料〜59,600円程度で利用できます。一方で東京23区にある火葬場9か所のうち7か所は民営で、居住する区に関係なく80,000〜87,000円かかります。23区に区民割引で火葬料が下がる火葬場はなく、東京博善の特別区区民葬儀も2026年3月31日の火葬分で取扱いを終了しています。

式場使用料も民営斎場は公営斎場より高めで、同じ家族葬でもどこで式を行い、どこで火葬するかによって総額が変わります。火葬待ちで安置日数が延びれば1日あたりの安置料とドライアイス代が積み上がり、搬送距離が規定を超えれば超過料金も加わります。見積もりでは、利用する火葬場と式場の名称、安置延長料、搬送の規定距離を必ず確認してください。

香典収入を差し引いた実質負担で判断する

総額だけでなく、香典収入を差し引いた実質的な負担額で考えると判断しやすくなります。香典は参列人数に比例するため、参列者を絞る家族葬では香典の総額も小さくなります。総額が安い形式を選んでも、その分だけ手元の負担が軽くなるとは限りません。

香典の総額は参列者の人数と故人との関係性で大きく変わり、全国一律の目安はありません。訃報連絡の範囲を決めた段階で参列人数を見積もり、飲食費・返礼品費の見込みと香典の見込みを並べて差額を出すと、用意すべき現金の額が把握できます。香典を辞退する場合は、その分が自己負担になる点も織り込んでください。

見積もりは同条件で複数社から書面で取る

見積もり比較の手順

  1. 1

    見積もり書の内訳を確認する

    搬送、安置、式場使用、火葬、飲食、返礼品の各項目が明確に記載されているか確認する。

  2. 2

    火葬料と式場使用料の地域差を調べる

    首都圏は高額な施設が多いため、施設ごとの料金差を把握する。

  3. 3

    香典収入の見込みを計算する

    葬儀規模に応じた香典額を想定し、実質負担額を算出する。

  4. 4

    追加費用の条件を確認する

    安置延長料金や搬送距離超過料金など、追加費用の発生条件を事前に把握する。

  5. 5

    複数社の同条件見積もりを比較する

    同じ葬儀形式・規模で複数社から書面見積もりを取り、比較検討する。

首都圏の火葬場利用で待ちや安置延長が費用増に繋がる

首都圏の公営火葬場は人気が高く、火葬待ちが発生しやすいことから安置期間が延長されるケースがあります。安置延長には1日あたり数千円〜1万円程度の追加料金がかかることが多く、見積もり時に確認が必要です。

また、搬送距離の超過料金も施設によって異なり、遠方からの搬送は追加費用が発生しやすいため、搬送エリアの範囲と料金体系を事前に把握しましょう。

参考記事

見積もり前の確認リスト

  • 葬儀形式ごとの費用総額と構成比を確認したか
  • 基本料金・飲食費・返礼品費の内訳が明示されているか
  • 火葬料・式場使用料の地域差を把握しているか
  • 香典収入を考慮した実質負担額を検討したか
  • 安置延長や搬送距離超過の追加料金条件を確認したか
  • 複数社の同条件見積もりを比較しているか