足立区の家族葬でまず押さえるべきは、区が運営する火葬場が存在しないという点です。近隣の火葬場は民営か都営で、「区民だから安くなる」仕組みは基本的にありません。

そのうえ、東京博善の特別区区民葬儀は2026年3月31日の火葬分をもって取扱いが終了しています。区民葬を前提にした古い費用感で見積もると差額が数万円単位でずれるため、現行の料金で組み直す必要があります。

足立区の家族葬費用は火葬場の選択で数万円変わる

足立区の家族葬費用は、火葬料、式場使用料、搬送費、安置料、飲食・返礼品、お布施に分かれます。このうち火葬料と式場使用料は施設の公表料金が確定しているため、先に施設を決めると総額の見通しが立ちます。

民営の東京博善(町屋・四ツ木)は普通炉87,000円、都営瑞江葬儀所は都民59,600円。足立区民は東京都民なので瑞江の都民料金が使えます。ただし瑞江には葬儀式場がなく、告別・収骨室と控室のみである点が選択の分かれ目になります。

足立区民が使える主な火葬場の火葬料(7歳以上・最安等級)

施設 区分 火葬料 式場
町屋斎場(荒川区) 民営・東京博善 87,000円(普通炉) 一体型式場(旅)242,000円ほか
四ツ木斎場(葛飾区) 民営・東京博善 87,000円(普通炉) 一体型式場(旅)264,000円ほか
東京都瑞江葬儀所(江戸川区) 都営 59,600円(都民料金) 式場なし(告別・収骨室と控室のみ)
戸田葬祭場(板橋区) 民営・独立系 80,000円(最上等) 3階 光の間 297,000円ほか

町屋斎場・四ツ木斎場は民営で、区民割引はない

足立区から近い町屋斎場(荒川区)と四ツ木斎場(葛飾区)は、どちらも東京博善株式会社が運営する民営の火葬場です。公営ではないため住民料金の区分がなく、どの区に住んでいても火葬料は同額になります。普通炉で87,000円、大人・小人の境界は7歳です。

両斎場とも火葬炉と式場が同じ建物にあるため、通夜から火葬まで移動なしで進められるのが利点です。一方で式場使用料は町屋の一体型式場(旅)で242,000円、四ツ木の一体型式場(旅)で264,000円と、火葬料より大きな金額になります。等級によって差が出るため、見積もりではどの式場・どの炉の等級かまで確認してください。

なお四ツ木斎場では、新式場オープン特別価格として一体型式場(旅)と専用控室有り式場(蓮)が220,000円になる期間設定があります。適用期間は限られるため、利用時点で適用されるかを施設または葬儀社に確認してください。

足立区民が最も安く火葬できるのは都営瑞江葬儀所

東京23区の公営火葬場は、5区共同の臨海斎場と東京都営の瑞江葬儀所の2か所だけです。臨海斎場の住民料金は港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区の住民に限られるため、足立区民は組織区外の88,000円になります。

一方、瑞江葬儀所(江戸川区)の都民料金59,600円は、火葬許可証に記載された死亡者または申請者の住所が東京都内であれば適用されます。足立区民はこれに該当するため、費用面では区民が使える最も安い選択肢です。7歳未満は34,500円、都外の方は都民料金の1.2倍にあたる71,520円となります。

ただし瑞江葬儀所に葬儀式場はありません。通夜・告別式を行うなら、区内の民間式場や寺院を別に押さえたうえで火葬のみ瑞江を使う組み立てになり、その分の移動と搬送費が加わります。

友引の休炉と火葬待ちは安置日数を押し上げる

23区は火葬場の需要が集中するため、希望日にすぐ火葬枠が取れるとは限りません。枠が先になるほど安置日数が延び、安置料とドライアイス代が日数分だけ加算されます。

加えて、友引を休炉日とする火葬場が多く、その前後に予約が集中しやすい構造があります。休館日と受付状況は施設ごとに異なるため、日程は葬儀社経由で実際の空き枠を確認してから確定してください。

なお火葬は、死亡から24時間を経過した後でなければ行えません。死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出し、火葬許可証の交付を受けます。

東京博善の特別区区民葬儀は2026年3月末で終了した

特別区の区民葬儀は、区民が指定の葬儀社を通じて割引料金で葬具や火葬を利用できる制度です。ただし東京博善の特別区区民葬儀は、2026年3月31日の火葬分をもって取扱いが終了しました。町屋斎場・四ツ木斎場で区民葬の火葬料金を前提にすることはできません。

一方、戸田葬祭場(板橋区)では区民葬料金が継続しており、最上等で大人59,600円・小人34,500円が設定されています(収骨容器は有料)。一般料金の80,000円と比べて差があるため、区民葬の利用を考えるならこちらが現実的な候補になります。

制度の対象範囲や申込手順は区と取扱業者で決まっており、変更されることもあります。利用の可否は足立区の担当窓口と取扱葬儀社の双方に確認してください。

見積もりは搬送距離・安置日数・式場等級の3点で崩れる

追加費用防止のための確認ステップ

  1. 1

    搬送距離の上限と超過単価を確認する

    プランに含まれる距離と、超えた場合の単価を数字で確認する。瑞江や戸田を使うと区内より距離が伸びる。

  2. 2

    安置日数と延長単価を確認する

    火葬枠が先になったときの1日あたりの安置料とドライアイス代を、延長前に単価で聞いておく。

  3. 3

    式場と火葬炉の等級を特定する

    東京博善は炉の等級で87,000円から160,000円以上まで開く。見積もりがどの等級かを明記させる。

  4. 4

    休憩室・控室が別料金か確認する

    町屋・四ツ木とも休憩室は広さごとに別料金。式場使用料に含まれるかを確認する。

  5. 5

    飲食・返礼品の人数変更ルールを確認する

    参列人数の増減をいつまでに伝えれば追加料金やキャンセル料が出ないかを確認する。

  6. 6

    お布施の目安を寺院に直接相談する

    宗派と戒名によって大きく異なるため、葬儀社の見積もりとは別枠で予算化する。

家族葬の見積もり比較で費用項目を正しく読み解く

費用最優先なら瑞江、移動を避けるなら町屋・四ツ木

家族葬の見積もり前に確認すべきチェックリスト

見積もり前の確認リスト

  • 搬送距離と超過料金の範囲を業者に確認する
  • 安置期間の無料日数と延長料金の有無を確認する
  • 式場使用料に含まれるサービス内容を明確にする
  • 火葬料金の区民割引適用条件と証明書類を準備する
  • 飲食・返礼品の人数変更時の追加費用ルールを確認する
  • お布施の相場と範囲を葬儀社や寺院に相談する