23区内の火葬場は、東京博善株式会社が運営する落合・桐ヶ谷・代々幡・堀ノ内・町屋・四ツ木の6斎場と、独立系民営の戸田葬祭場(板橋区)を合わせた7か所が民営です。公営は港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区の5区が共同運営する臨海斎場と、東京都営の瑞江葬儀所の2か所のみです。

よくある誤解として「自分の区の火葬場なら区民割引が使える」という思い込みがあります。民営7か所は居住区に関係なく同額で、住民料金が設定されているのは公営2か所と、戸田葬祭場の区民葬料金だけです。

民営と公営で火葬料金の体系がまったく違う

民営火葬場は炉の等級ごとに火葬料が決まり、最安等級と最上位等級で7万円以上の差が出ます。公営2か所は等級区分がなく一律で、そのかわり住民かどうかで料金が変わります。

大人料金が適用される年齢の境界も施設で異なります。東京博善6斎場・戸田葬祭場・瑞江葬儀所は7歳以上が大人ですが、臨海斎場は12歳が境界です。

23区内の火葬場:大人の火葬料(最安等級)

施設 種別 最安等級の大人料金 上位等級 大人の年齢境界
東京博善6斎場(落合・桐ヶ谷・代々幡・堀ノ内・町屋・四ツ木) 民営 普通炉 87,000円 特別室 123,000円/特別殯館 160,000円(四ツ木は貴殯館 200,000円、堀ノ内は特別室が最上位) 7歳以上
戸田葬祭場(板橋区) 民営 最上等 80,000円(区民葬料金 59,600円) 特別室(仏心)107,500円/特別殯館 177,000円 7歳以上
臨海斎場(大田区) 公営・5区共同 組織区民 44,000円/区外 88,000円 等級区分なし 12歳以上
東京都瑞江葬儀所(江戸川区) 公営・都営 都民 59,600円/都外 71,520円 等級区分なし 7歳以上

炉の等級名は施設ごとに違い「最上等」が最安の場合もある

東京博善6斎場の等級は、安い順に普通炉(大人87,000円・小人50,000円)、特別室(123,000円/63,500円)、特別殯館(160,000円/88,000円)です。四ツ木斎場だけは最上位が「貴殯館」(200,000円/110,000円)で6斎場中もっとも高く、堀ノ内斎場には特別殯館の設定がなく特別室が最上位になります。

戸田葬祭場は等級名の並びが紛らわしく、安い順に最上等(80,000円/44,000円)、特別室「仏心」(107,500円/54,500円)、特別殯館(177,000円/104,000円)です。名前だけを見て「最上等」を最高ランクと誤解すると、見積もりの読み方を間違えます。

公営の臨海斎場・瑞江葬儀所には等級がありません。上位等級を勧められた場合は、遺体の状況などやむを得ない理由があるのか、それとも希望なのかを切り分けて確認してください。

式場を併設するのは民営7か所と臨海斎場

東京博善6斎場と戸田葬祭場はいずれも式場を併設しており、通夜・葬儀から火葬まで移動なしで行えます。式場使用料は火葬料とは別に発生します。

23区内でもっとも安い式場は代々幡斎場の「竹」です。もっとも高いのは桐ヶ谷斎場の専用控室有り式場「雲」で、同じ斎場のなかでも部屋によって数十万円の差がつきます。金額は下の比較表にまとめました。

公営についてはよくある誤解があります。臨海斎場は式場を併設しており、葬儀式場の使用料は組織区民56,000円・区外170,000円です。式場を持たないのは瑞江葬儀所のほうで、こちらは告別・収骨室と控室のみの火葬専用施設です。

待合室・休憩室は人数と部屋で数千円から7万円台まで変わる

火葬を待つ間の休憩室は、部屋の定員によって料金が段階的に決まります。東京博善6斎場では12名程度の藤の間14,300円から、62名まで入る鶴の間74,800円までの幅があります。参列者が少なければ小さい部屋を指定できるので、人数を伝えて料金を確認してください。

戸田葬祭場は席料制で1席990円(未就学児無料)、別間を使う清め料金は30席37,400円から120席119,900円です。公営は臨海斎場の待合室が組織区民20,000円・区外60,000円、瑞江葬儀所の控室が都民10,200円・都外12,240円で、無料ではありません。

遺体の安置に使う霊安室は、東京博善6斎場が1日8,800円、臨海斎場が24時間ごとに組織区民3,000円・区外10,000円、瑞江葬儀所が柩1つ24時間以内で都民8,210円・都外9,850円です。火葬待ちが延びると日数分だけ積み上がります。

予約は葬儀社経由が基本、瑞江だけは遺族側の事前登録が要る

東京博善6斎場と戸田葬祭場の予約は、葬儀社向けのWEB予約システム(ID・パスワード制)または予約受付センターへの電話で行います。東京博善は14日先までの枠が対象で、遺族が直接押さえる仕組みではないため、依頼する葬儀社にどの斎場・どの等級で枠を取ったのかを聞くことになります。

瑞江葬儀所は公式のWEB予約システムで24時間受付ですが、事前の利用登録が必要です。火葬枠は9時15分から15時15分までの12枠で、柩の保管は利用当日に電話で予約します。臨海斎場は組織5区の住民料金が安いため枠が埋まりやすく、希望日が取れないことがあります。

「安い炉が空いていない」と言われたときの確認手順

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    空いていないのは日か枠かを聞く

    同じ斎場でも別の時間枠や翌日なら普通炉が空いていることがあります。何日・何時の枠まで確認したのかを具体的に聞きます。

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    他の斎場の普通炉を確認してもらう

    東京博善6斎場の普通炉はいずれも大人87,000円で同額です。1か所が満床でも別の斎場なら同じ料金で受けられるため、他斎場の空き状況も確認を依頼します。

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    公営2か所と戸田葬祭場も候補に入れる

    組織5区の住民なら臨海斎場44,000円、都民なら瑞江葬儀所59,600円、区民葬の枠なら戸田葬祭場59,600円と、民営の普通炉より安くなる選択肢があります。

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    上位等級を勧められた理由を確認する

    特別室や特別殯館との差額(普通炉87,000円に対し特別室123,000円、特別殯館160,000円)を示してもらい、等級を上げる必要が本当にあるのかを聞きます。

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    安置日数が増える分の費用を試算する

    日程を後ろにずらす場合は、霊安室料(東京博善は1日8,800円)が何日分増えるかを見積もりに反映してもらいます。

施設別の比較表で総額の出方を確かめる

23区内の火葬場9か所(大人・最安等級ベース/通常料金)

施設名 種別 火葬料(最安等級) 式場使用料 待合室・休憩室
落合斎場(新宿区) 民営・東京博善 普通炉 87,000円 一体型(旅)253,000円/専用控室有り(雪)264,000円/(雪7)限定の一日葬・夕刻葬 198,000円 藤の間14,300円〜月の間34,100円
桐ヶ谷斎場(品川区) 民営・東京博善 同額 一体型(旅)242,000円〜専用控室有り(雲)990,000円(6斎場中もっとも選択肢が多い) 藤の間14,300円〜鶴の間74,800円
代々幡斎場(渋谷区) 民営・東京博善 同額 式場「竹」165,000円(23区内で最安)/一体型(旅)231,000円/専用控室有り(雪)275,000円 梅の間19,800円〜鶴の間74,800円
堀ノ内斎場(杉並区) 民営・東京博善 同額(最上位は特別室) 一体型(旅)253,000円/専用控室有り(雪)275,000円 梅の間19,800円〜月の間34,100円
町屋斎場(荒川区) 民営・東京博善 同額 一体型(旅)242,000円/専用控室有り(雪)275,000円 梅の間19,800円〜鶴の間74,800円
四ツ木斎場(葛飾区) 民営・東京博善 同額(最上位は貴殯館) 一体型(旅)264,000円/専用控室有り(桜)275,000円/(蓮)286,000円 藤の間14,300円〜月の間34,100円
戸田葬祭場(板橋区) 民営・独立系 最上等 80,000円(区民葬 59,600円) 4階せせらぎの間198,000円/別館 思食の間253,000円/3階 光の間297,000円 1席990円(別間の清め料金は30席37,400円〜)
臨海斎場(大田区) 公営・5区共同 組織区民 44,000円/区外 88,000円 葬儀式場 56,000円/区外170,000円 20,000円/区外60,000円
東京都瑞江葬儀所(江戸川区) 公営・都営 都民 59,600円/都外 71,520円 式場なし(火葬専用) 控室 10,200円/都外12,240円

「同額」と書いた行は、東京博善6斎場の普通炉がいずれも落合斎場と同じ料金であることを示しています。民営7か所に居住区による割引はないため、民営同士で火葬料を比べても差は出ません。

火葬料だけを比べると公営が安く見えますが、臨海斎場を利用できるのは港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区の住民で、瑞江葬儀所の都民料金は火葬許可証に記載された死亡者または申請者の住所が都内である場合に適用されます。対象外なら民営とほぼ変わらない額になります。

式場を併設する斎場で葬儀まで行う場合、総額に効くのは火葬料より式場使用料です。掲載額は通常料金で、期間限定の特別価格が出ることもあるため、最終的な金額は必ず葬儀社の見積もりと施設の公式料金表で突き合わせてください。

火葬場選びは等級名と住民要件を見積もりで突き合わせる

民営7か所に居住区の割引はなく、価格差は炉の等級と式場・待合室の選び方で決まります。見積もりを受け取ったら、火葬料の等級名・式場の部屋名・待合室の定員という3つの固有名を公式料金表と突き合わせるのが、もっとも確実な確認方法です。

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見積もり前の確認リスト

  • 火葬料の行に等級名(普通炉・特別室・特別殯館・貴殯館・最上等)が書かれているか
  • その等級の公式料金と見積もり額が一致しているか
  • 臨海斎場の組織5区住民、瑞江葬儀所の都民、戸田葬祭場の区民葬に該当しないか確認したか
  • 式場使用料がどの部屋の料金か、部屋名で確認したか
  • 待合室・休憩室は参列人数に見合う部屋で見積もられているか
  • 火葬待ちで安置日数が延びた場合の霊安室料を確認したか
  • 小人料金の年齢境界(7歳または12歳)が施設の規定どおりか